2022年 11月 20日
大脳皮質壊死症の報告 |
先日、北海道家畜診療技術等研修会にて、宗谷中部の渡邉獣医師が発表しました。題名は「乾草を原因として疑った乳用子牛大脳皮質壊死症例の考察」です。大脳皮質壊死症とは、その名のとおり、大脳の皮質が壊死する疾病です。原因は、チアミン(ビタミンB1)の欠乏です。通常、ビタミンB1は、牛の第一胃で合成されるのですが、配合の多給や、品質の悪い粗飼料の給与によって第一胃の内容が変化したときに、ビタミンB1の合成が進まずに不足することが原因です。症状は、神経症状を示します。確定診断は、解剖して大脳の皮質を確認します。 解剖して大脳を取り出し、暗室で紫外線(360nm)をあてると、大脳皮質の壊死した部分が蛍光色に光ります。 TMRセンターから、運ばれてくるエサの品質は確保されていますが、ロールで運ばれてくる乾草には、いろいろな品質があることを忘れてはいけません。品質の良い乾草もあれば、敷料用の低品質のものもあります。目的と用途に合わせて、使用(飼養?)することが大事です。
by umibenokuma
| 2022-11-20 14:29
| 獣医さんのお仕事
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