バーチャル往診随行:放牧地で難産編 |
今日の朝『放牧地で初産が分娩しているが頭と片肢だけ出ていて、そこから産めない』と往診依頼が入りました。さあ、急いで向かいましょう。


車で行ける場所だったので案内してもらい診療車で近くまで向かいました。胎子の頭部が浮腫って大きくなっており、母牛が夜に一人で頑張っていたのでしょう、時間が経っていることが窺えます。産道に手を入れると、右前肢が手根関節で屈曲し産道内に停滞しています。胎子はわずかに反応があり生きています。生きて取りあげましょう。『バーチャル往診随行:難産のコツ編』でお伝えした通りにホーリン、プラニパートを投与後粘滑液を注入。大概は押し戻せるのですが、放牧地の傾斜で頭より腰が低くなっている為か胎子を全く押し込めません。起立させれば右前肢の整復は容易ですが、母牛は起立不能、吊起も近くにはありません。牛舎からトラクターと吊起を持ってきてもらって吊るか、このまま引っ張ってしまうか…幸い、産道の弛緩は充分で、右前肢手根関節も骨盤の中に入っていたので、牽引すれば出ると判断、そのまま引っ張りました。


産まれてきた子をマッサージして、母牛に託します。母牛も疲れた顔をしていましたが、子が来ると目が覚めた様に顔が変わりリッキングしてくれました。産道を確認すると、損傷も無く、双子でもないようです。母牛は左下伏臥、右後肢を側方に伸長していたので股関節に聴診器をあて後肢を動かすと、軋轢音は聴取せず、股関節脱臼は無いと判断。起立を促し、立ったところでオキシトシンを注射し処置完了です。無事に産まれて良かった!!
農家さんも診療へのご協力、ありがとうございました!

獣医師採用情報 | 採用情報 | NOSAI北海道(北海道農業共済組合) – NOSAI北海道(北海道農業共済組合)
