バーチャル往診随行:経口投与をしよう編 |
今日の往診は以前ご紹介したバーチャル往診随行:便をしない編と似たような病態。腹囲膨満し乳量低下、第四病日目ですが採食開始しません。経口投与で下剤と消化酵素を飲ませましょう。

薬が少量であれば630mLのニュートレスリキッド(カルシウム剤)の空ボトルなどに入れて飲ませるのが最も手軽です。手軽な一方、誤嚥の恐れが付きまといます。乳熱でまだカルシウムが低い状態の個体、全身状態が極めて悪い個体、嚥下困難の個体には適しません。経口、または経鼻の胃カテーテルで投与する必要があります。僕は若い頃に経鼻が少し難しく感じたのと、経口の方が経の太いカテーテルを入れられて薬液注入が短時間で済むので、経口の胃カテーテルを使用しています。今回は薬の量が多いのと、確実に投与したいのでカテーテルで飲ませる事にします。

①オーラルクロスの少し曲がっている方を牛の口に入れ、ゴムバンドを耳の後ろに通し固定②カテーテルを挿入、喉の奥で一度止まるので牛の嚥下のタイミングに合わせ挿入③カテーテルに息を拭き入れる事が出来、かつ、息を吸えない状態が適切に食道に挿入出来ているサインです④カテーテルの先端が第一胃に入ったら特徴的な匂いの第一胃ガスが出てくる事が多いですし、再度、息が吹き込めかつ息を吸えない事を確認⑤漏斗を接続し少量の水を投与、牛が苦悶する事なく水が入る事を確認⑥薬液を投与⑦水を入れカテーテル内の薬液をフラッシュ⑧息を吹き込みカテーテルに水が残らない状態にし⑨カテーテルを折り曲げた状態で引き抜きます。
補足です。①最初のうちは、カテーテル挿入前に、どこまで入れれば第一胃まで入るか、カテーテルを牛の体に添わせて長さを測ると良いでしょう。成牛であれば長さはほぼ同じですが、育成や子牛にカテーテルを入れる場合、この作業は役立ちます。②牛が暴れた際に不意にカテーテルが前後にずれる事があります。カテーテルが浅くなり誤嚥させる事の無いよう、普段は黄色矢印部分のオーラルクロスとカテーテルを一緒に片手で持ち、もう一方の手で漏斗を持ち、水や薬液の投与を農家さんにお願いしています。③腹囲膨満している牛は薬液の量が多いとより腹が膨れて苦しみます。水の投与の目的が無い場合は最低限の水で薬を溶かしています。
写真は農家さんに撮っていただきました。ご協力ありがとうございます!

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