バーチャル往診随行:膣脱編 |
『膣脱だった牛が、分娩が近くなり腹が大きくなって来たからか、戻らなくなってしまい大きく膨れている。何か手立てはありますか?』と電話がありました。さぁ、往診に向かいましょう。

案内してもらった個体がこちらです。伏臥時に膣が脱出しても起立時に自然と還納すれば問題にならない事が多いですが、起立しても戻らず血流が悪くなり浮腫が重度でした。膣が反転し、子宮外口まで見えています。軽く鎮静をかけ、尾椎硬膜外麻酔をし、綺麗に洗浄した後、整復を試みます。触った瞬間『戻せないかも』と思う程、脱出した部分の張りが強かったですが、少し持ち上げた時に下側から“水”が出ました。

何かと思い精査すると、外尿道口から出た尿でした。勝算が見え始めます。脱出した部分は中に膀胱もあるようです。穿刺をすれば尿を抜けるでしょうし、幸いそこまでしなくても脱出部位を持ち上げて外尿道口を露出させると自然と尿が出てきます。焦って押し込むよりも尿を全て出してからの方が整復が容易になるでしょう。状況を説明しながら『少し時間をくださいね』と尿を出しました。


その後は脱出部位を押し込める様になったので無事に整復。


再脱出防止のためビューナー縫合を施します。この時の“コツ”は、一方を通したら端を鉗子で摘んでおく事です。こうする事で他方の縫合テープを引き抜く時に既に留置したテープが抜けてしまう事を防げます。

結紮は陰部に縦に指4本が挿入できるように行います。問題にはならないだろうけれど、排尿がきちんと出来るか確認して欲しい事、それから、分娩が開始したらテープを抜去して欲しい事とその方法を説明して処置完了です。

再脱出する事なく、無事に分娩を迎えられますように。
投稿は農家さんが撮ってくれた動画を基に作成しました。いつもご協力ありがとうございます!

(枝幸町 2月)
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