バーチャル往診随行:ロープで寝返りさせたい編 |
『今朝介助し分娩させた2産目の牛が食欲不振』との稟告で診療依頼がありました。さあ、往診に向かいましょう。
到着すると『起立不能になってしまっている』とのこと。右後肢を開脚してしまっています。吊起して救出したいところですが、作業時間帯的に重機を運転する人が不在で吊れないそうです。しかし、このまま放置してしまうと牛は自ら動くことが出来ないばかりか、新たに筋損傷してしまいます。なんとか救出したいので、ロープを使って寝返りを打たせましょう。

後肢にロープを結び、肘頭(上腕骨と橈骨・尺骨が連結する肘関節の部位)と胸部の間(脇の下)に尾側から頭側へとロープを入れ、反対側は頭側から尾側へとロープを通します。胸垂の下へロープが入り込む様に誘導しながらAの方向に引っ張り腹の下へとロープを引いていきます。腹の下を通り辛い場合は、A・B方向へ交互に(ノコギリの様に?)引っ張ります。

最初にロープを結んだ肢側に牛が顔を向けているとひっくり返せないので、寝返りさせたのち上側になる方向に頭部を保定します(写真の場合⭐︎印方向)。なるべく右後肢の蹄が腹の下に行くようにしながら矢印方向に引っ張ります。すると無事に右下伏臥へと寝返り出来…るはずでしたが、今回は普通の寝返りと違い、開脚してしまっているので後肢が尾側に行きすぎていて、蹄が床にひっかかり全く動かず、2人の力ではびくともしませんでした。写真では分かりませんが牛の左側が傾斜で高くなっていたので低い方へと引っ張った方が転がり易いと考えたのですが、後肢の角度を重視して逆側に引っ張る段取りにした方が良かったのかもしれません。そうこうしていると吊起出来ることになり、開脚防止バンドを装置しました。
繋ぎ牛舎ですと起立不能になった牛の上部に十分な強度の梁が無く吊起出来ないこともあります。今回は成功した写真をお見せできませんでしたが、ロープでの寝返りのさせ方を知っていると看護に役立ちます。力いっぱい引っ張りますから、途中でロープが切れると転倒して怪我をしかねません。劣化していない安全なものを使用してください。
農家さん、写真投稿のご快諾、ありがとうございました!

(浜頓別 2月)
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